2012年5月30日水曜日

〝探求〟野球道を考える


野球だけやってうまくなれるのか   桑田真澄氏


 僕は現役生活を引退して以来、アマチュア野球の実態を把握しようと少年野球から社会人野球、さらには独立リーグや女子野球のグラウンドに足を運び、実情を自分の目で見てきました。そして、各連盟の関係者や指導者の方々にお会いして、現場の意見を直接お聞きしてきました。

 こうした活動の中で「アマチュア野球の指導者は確実に変わろうとしている」と感じる反面、「最後の最後、大事なところで変わり切れていない」と感じるのも事実です。

 僕がアマチュア選手だった時代には、タバコを吸いながら、真っ昼間からお酒を飲んで子どもたちにに指導したり、選手を怒鳴り散らしたり、体罰を与えたりしている指導者が山ほどいました。さすがに現在では、そのような指導者は少なくなっているように思います。それでもまだ「指導者=子どもや親に命令するのが当たり前」といったマインドで、一日中折りたたみ椅子にふんぞり返って座っている指導者が存在します。

 確かにせっかくの休日で朝から晩まで子どもたちの指導を続けるのは素晴らしい情熱です。しかしそうした情熱は、時に大人の日ごろのストレス解消のはけ口になっている場合があります。練習中、罵声や体罰を繰り返す指導者は、そこに気がついていないのではないでしょうか。

 また、罵声も体罰も与えていない一見、立派な指導者の中にも、子どもたちにパワーハラスメントまがいのプレッシャーを与えている場合が見受けられます。

 それは勝利至上主義です。

 「野球は勝ち負けがすべて」「野球は勝たなければ面白くない」「選手は勝つことで初めて喜びを得られる」といった方針から、週末に朝から晩まで練習をするチームがいくつもあります。一日に3試合も4試合も練習試合を組んだり、平日も自主練習と称して子どもたちを集めたりするチームもあります。

 確かに、他のチームよりたくさん練習すれば、いままでよりも勝つ確率が少しは上がるかもしれません。しかし、アマチュア時代の子どもは野球以外にも大切な使命をたくさん背負っています。子どもたちが将来、人間的魅力にあふれた大人に成長するためには勉強も大事、家族と過ごす時間も大事、友だちと遊ぶ時間も大事です。それに、野球というスポーツは単に身体能力と技術だけの勝負ではありません。勝負を分ける正念場では、合理的に考える習慣もチームメイトを思いやる力も試されます、つまり野球がうまくなるためには野球だけをやっていてはダメなのです。

 ここで、みなさんが野球少年だった時代に立ち返って考えてみて下さい。

 そもそも、子どもたちが野球をやる目的は何でしょうか。彼らの中には、プロ野球選手になりたいと心から願う子どももいれば、楽しいから野球をやりたいと思って始めただけの子どももいます。

 それなのに、人より素質があって大人から大きな期待をかけられた子どもの中には、小中学生時代からオーバーワークで故障を繰り返し、肩やヒジに致命傷を負うケースがあります。また毎日、長時間練習を課された結果、勉強の時間が取れなかったり、日常生活に余裕がなくなったりするケースもあります。

 つまり、最初は好きで始めたはずの野球が子どもの可能性を次々と奪っているのです。そんな子どもたちは野球が大好きでいられるでしょうか。またそんな指導者を尊敬するでしょうか。僕は、せっかく野球の世界に足を踏み入れた子どもたちに野球を嫌いになって欲しくないと思っています。また、野球が様々な個性をもった人たちを結びつける絆になるとよいと願っています。

 アマチュア野球界の使命は、単にプロ野球選手に育成することではありません。トレーナーやドクター、メディア、スポンサー、ファンそして親など将来様々な立場から未来の野球界を支える人材を幅広く輩出することにあるのです。これが人気低下に悩む日本の野球界に必要な「人材育成」の理念です。「それでは アマチュア野球は勝たなくてもいいのか」とよく訊かれます。

 そうではありません。「勝利も育成も両方大事」です。

 勝ちながら育てる、育てながら勝つ。一見相反する価値観をバランスよく舵取りするからこそ、「優れた指導者」として評価されるのです。

 戦後の日本社会は、ひたむきに努力していれば報われる時代でした。

 野球界も同じように簡単な世界でした。指導者は一方的に命令をして、時には殴ったり罵声を浴びせたりしていれば教えた気になれました。

 しかし、今はそういう時代ではないのです。これからの日本社会は何が正解かわからない中で、一人ひとりが目標設定をしながら試行錯誤する時代です。

 野球界もここ一番で力を発揮する自立した選手を育てなければ、社会で存在義を発揮できなくなる時代です。だからこそ、従来の価値観の長所を継承しつつ、時代の変化にあわせて課題を解決していきたい。








2012年5月24日木曜日

札幌ドーム

先日札幌に行ったついでに札幌ドームの見学に行って来ました
ドームツアーに参加し約50分間裏側を見て来ました



翌日にコンサドーレの試合があるため内部はサッカー仕様になっていました



野球仕様になっていなくて残念ですがたまにはこういうのもいいっかぁ
選手入場口↓


なかなか座れないバックネット裏の年間シートです


ビジター側のブルペンです
そこにはお宝が…


左から稲葉選手のヘルメット(意外と頭が小さかったです)
中央は陽選手のスパイク
右側はナイキのバットは稲葉選手
ウィルソンは田中賢選手です(もちろん両方握ってきましたよ♪重かったぁ)


将来なれるかな!?



選手たちが食事をする場所では実際のメニューを写真で紹介









なかなか見れない日本野球機構からの通達文












ビジター用のシャワールームです


サッカー元日本代表監督の岡田氏の要望で下半身のアイシングが出来る浴槽



ビジター用のコーチ室です



展望台です









札幌ドームでオールスターが行われた時のサンインボール
マウンドにあるのはダルビッシュ








小田和正公演


2012年5月17日木曜日

エラーの練習

今週は顧問の先生が修学旅行の引率で不在のため、ここ数日は自分が指導しています。
先生から何をしてもいいということで初日の月曜日は守備ノックをメインに行いました。

今回のテーマは前からやってみたかった『エラー』の練習です。
エッ!?何言ってるのと思うかもしれませんが上手に上手く捕球するのではなく落球することです。

目的は人間誰しも失敗(エラー)はしたくありませんしエラーしたくて守ってはいません。
そうですよね♪
しかし必ず起こりうるプレーなのです。
じゃあその中でエラーをしても落ち着いて次のプレーを行うことが大事なのですが…
それがなかなか難しいのです。(大人でも)

あせってあせって次のプレーもエラーし2次、3次と連鎖し失点につながる。
これはまだまだ中学生で精神力の弱い子供たちだからしょうがないことだと思います。

それが思っていた以上の成果が出ました。
ノック開始時は球慣らしのためごく普通に捕球させていましたがわざとエラーをするように指示したら体をうまく正面に持っていき打球の入り方が良くなっていきました。
わざとエラーをするという考えが逆に体の使い方を上手くさせる効果があるのです。

あくまで練習なので本番試合で上手く処理できるとは思いませんが、意外とエラーしたあとの処理を練習の中で何となく覚えてくれたのではないかと思います。

今日は雨でまともに練習は出来ませんでしたが体の使い方を目的にしたアップと降雨の中での濡れたボールを扱うキャッチボールを行い、グランドがひどくなってきたので校舎に移動し運動靴、スパイクの扱い方、グラブの使い方等を選手に伝えました。


斎藤祐樹 沖縄春季キャンプにて