2012年11月20日火曜日

メンタル・コーチング⑥


モノマネは大切な参考書


 子どもにとって最良の参考書。それは、あこがれのアスリートです。
 「あの選手はかっこいいな」「あんなプレーをしてみたいな」……。
 単純なようですが、この憧憬が一流選手への入り口なのです。

 だからこそ、この時期に親として絶対に言ってはならない言葉があります。
それは「無理だよ」「まだ早いよ」というような言葉。子どもが自由な発想で、目標を掲げているのにもかかわらず、大人の価値観と距離感で、この子どもの目標をつぶしてしまっていることが、実はとても多いのです。

 「よし、だったら同じようにできるようにマネしてみようよ」「そうだ、かっこよくなってきたぞ」

 むしろこう言ってあげてください。
 スポーツ好きな子どもにとって、最良の教師である一流のアスリートの動作をみて、子どもはテレビの前で体を動かしたり、公園で実践しようとするでしょう。身のまわりにボールなんかあると、それを投げたり、蹴ったりしてきます。親としては、それに付き合ってあげるだけでよいのです。

 その中で、ボールの扱い方や体の動かし方を自然に学んでいくことでしょう。
子どもがやるマネごとこそ、学びへの第一歩なのです。これは、勉強でも同じです。

 子どものあこがれがたわいもないと感じる部分もあるでしょう。マネしている動作に不要な指導をしてしまいたいかもしれません。でも、ここで大切なことは、自分の子どもの潜在能力を信じてあげることなのです。だからこそ、身勝手な大人の先入観で決めつけをしてはいけないのです

あこがれのアスリートが夢への入り口

メンタル・コーチング⑤


 間違った指導法は違う競技でも行ってしまっていることはないでしょうか?

 もちろん私もその一人でした。

 その事で松井秀喜氏も幼少期に同じ経験をされています。
 もしかしたらもう少しで名選手が誕生しないところでした。


 体格が一際大きかったため、根上町立浜小学校1年生の時に3年生以上で構成される軟式野球チーム「根上少年野球クラブ」に特別に入団させてもらったが、まだ幼すぎて監督の指示などが理解できず、一旦野球をやめてしまった。4年生の時に父から再入団を勧められるが、幼少時のショックは大きく、拒否している。


メンタル・コーチング④

誰もがやっている、間違いだらけの指導法②


 何か新しいことに挑戦するときは、誰だってうまくできないものです。そのできなかった体験が引き金となり、子どもは負のスパイラルへと陥ってしまうのです。それを、先ほどバッティング・センターで熱心指導した親を例にしていうと、こういうことになります。

子ども 「うまくできないよ~」
親    「ほら、もっと腰をまわすんだよ」「体を開くな」 間違った指導をする
子ども 「だから、できないよ~」 さらにうまくできない
親    「何をやっているんだ!」 それを叱責する
子ども 「もう、いいや」 やりたくなくなる、自然と苦手意識が生まれる

 こうして、最初は楽しいはずだったバッティング・センターでの練習も、つまらないどころか、子どもの苦手意識を増長させてしまうのです。それでは、どのようにすれば、その苦手意識を克服できるのでしょうか。
 それは、とても簡単なことです。子どもに、たくさんの成功体験を植え付けてやればいいのです。

子ども 「うまくできないよ~」 でも、たまにうまくいっている
親    「さっきよりうまくできているよ」 うまくいったときを、ほめてあげる
子ども 「こんな感じかな?」 ほめられたときのイメージでやってみる
親    「うん、うん。その調子だぞ」 さらにほめてあげる
子ども 「すごく、楽しいね」 またほめられたので、さらにやりたくなる

 親がやるべきことは、小さな成功や成長を見つけ、ほめてやることだけです。子どもにとっては、これがかけがえのない成功体験となるのですから。


叱責の数だけ苦手意識が生まれる




 

2012年11月19日月曜日

メンタル・コーチング③

誰もがやっている、間違いだらけの指導法①


 どのようにすれば、子どもが自分自身で適正な目標を見出すことができるのでしょうか。

 実は、そのすべてのヒントは、子どもの意思の中に隠されているのです。

 たとえばこんな話があります。バッティング・センターで打つ練習をしている2人の小学生。

 一人は、親がネット裏から熱心指導をしていて、「ほら、もっと腰をまわすんだよ」とか、「体を開くな」などと指導されています。この場合、この親の指導方法は、その根底から間違っているといえるでしょう。大人だって、腰をまわしながら体を開かない、そんな器用な芸当ができるわけがないからです。 
 これは、はるか昔に自分が受けた間違った指導法をそのまま言っているだけなのです。

 子どもは、親に言われたとおりにやろうとしますから、その指導方法が相反するものであることに気付かずに、一生懸命に親に言われたことを守ろうとします。その結果、体の使い方自体がおかしくなるのです。

 そしてもう一人の親は、ネット裏から見ているものの、教えるより小さな成功をほめる親です。この場合、子どもは好きなプロ野球選手の打撃フォームをマネしながら、ただバットを当てるという感覚で打っていきます。そしてもっと上手に打ちたいと工夫していくのです。親が教えることは、基本的な技術とタイミングのことだけですから、基本的には自由奔放に打っていくでしょう。

 この2人の子ども。まったく同じ球数を打っていたのに、終わった後の反応は、とても対照的になるでしょう。半べそかいて「もうやりたくないよ」と言ってケージから出てくる子どもと、「もう1回やっていい」と言って笑顔でケージから出てくる子ども。無論、前者が熱血指導を受けた子ども、そして後者が自由にやりたいように練習した子どもなのです。

熱心指導が子どものヤル気を奪う

すべてのヒントは、子どもの意思の中に隠されている!



2012年11月18日日曜日

巨人軍最強伝説~四番打者~


先日巨人軍四番打者の伝説を語る番組がありました。
自分が小学生の頃は所属する少年野球チームのユニフォームが似ていて野球中継といえば巨人戦しかなかった時代なので巨人という球団にはとても愛着があったことを思い出します。

番組では以下の有名な名選手の苦労や挫折そして栄光について放送されました。

長嶋茂雄(ミスタージャイアンツ、ミスタープロ野球)

王貞治(世界の王)

原辰徳(若大将)

松井秀喜(ゴジラ)


 中でも今回は自分が生まれる1年前1974年38歳で引退し『我が巨人軍は永久に不滅です』という名言を残した長嶋茂雄氏と王貞治氏について。

 長嶋氏は番組の中で『現役をあと2年やりたかった』と言っています。そこには『自分との戦いこそが原点』という考え方があったようです。体力も衰え昔のように思い通りにパフォーマンス出来ないからこそ野球に対して真摯に向き合える時だったかもしれません。

 現役時代は『球の中にあるコルクの芯、見えない芯を打っていた』とのこと実に奥深い。


 王貞治氏は言わずと知れた公式戦本塁打868本を放ったホームランアーティスト。
引退の年は打率は悪かったが何と30本塁打も打っていた。
王氏は『ボールを乗せる打ち方』をしていたそうです。

 今までの自分には昔の選手のような印象があり現代野球とは技術や体力では差がありすぎる思っていましたが、その打撃の感覚を聞いてみるととても研ぎ澄まされていることを感じました。
 
 

2012年11月14日水曜日

メンタル・コーチング②

指導の前に

コーチングとは?

 コーチングとは、自己表現のために行われる手法で、「その人が行きたいところに連れて行ってあげる」といった意味の言葉。
ティーチングとは、「やり方がわからないその人に、そのやり方を教えてあげる」といった意味の言葉です。

 解決方法を、単純に教え込ませるティーチングに対して、コーチングというものは、解決したいと思うその人の意思を最大限に反映した手法です。このようなことから、コーチングとは右脳的な指導法であり、ティーチングとは左脳的な指導法であるといえるでしょう。
 つまりコーチングとは、その人が本来もっている能力や可能性を、最大限発揮するための答えを見つけ出すための対話なのです。




 コーチングには、つぎの3つのステップがあると考えられています。

●コーチングの3つのステップ
ステップ1:差し迫った目先の問題を解消するための準備
ステップ2:自らで能力を理解し、目標を設定する
ステップ3:目標に対する意欲と情熱に従って、ゴールへと向かう

 この3つのステップの中でも、特に大切だといわれるのが、ステップ1とステップ2です。
 ステップ1は、その人の目先に何か問題があるとすれば、その問題を整えるサポートをする段階。
 そして、ステップ2は、その人が自分のもてる能力を理解し、それに見合った適正な目標を、自発的に立てていってもらう段階だといえるからです。

 もし、そこ疑問をもったなら、大人は子どもに対して、おそらく無理だろうと、勝手に決め付けてしまっているだけです。

 「子どもだから自分の能力に気付けない」「子どもだから目標を立てることは難しい」、これは完全なる親の勝手な思い込みなのです。

 子どもは、自分でこうだと決めた目標には、わき目も振らず突っ走ります。そして、そのエネルギーとなるのが「好きだ」「楽しい」「やりたくて仕方がない」なのです。

 親や指導者は、この感情をうまくサポートするすることが必要です。

メンタル・コーチング①

「大好き」「楽しくて仕方がない」から、すべては始まる


 時間を忘れて没頭している状態です。極めて高い集中力を発揮しているといわれているのです。
これをスポーツの世界でいえば、「ゾーンに入っている」と表現される。この状態こそ、子ども遊びの時間といえるのではないでしょうか。

 遊びから得られる満足感や達成感は、次への高い意欲につながっていきます。それが高い目標
につながり、その目標達成のために計画を立て、創意工夫し、あらゆる努力を惜しまなくなっていきます。

 さらに、そこに親のひと言があったらどうでしょうか。

 ただでさえ楽しいのに、それを一緒によろこんでくれる大人がいる
指導してくれる人がいる。

 すべてが楽しくて、成長を体感し、すべてが新鮮に感じられて、もっともっとやりたいと思うようになる。子どものときのこの感覚は、まさしく常に「ゾーンに入っている」状態にほかならないのです。

 どの分野であれ、大きな成功を収める秘訣は「大好きだ」「楽しくて仕方ない」と心の底から思えることの連続なのです。

「成功」への不変の法則=「大好きだ」「楽しくて仕方ない」という状態

近年、子どもたちが時間を忘れかけまわっているのを見かけることがほとんどなくなりました。それとともに運動能力の低下も問題視されているのが現状です。

 子どもがスポーツを好きになる、そのなかで達成感や精神力、チームワークを学ぶ。さらにヒーロー、ヒロインになり、一流アスリートにあこがれる。この過程の出発点は、まさに子どもの頃の遊びであり、大きな成長のもととなるのは、さきほど申し上げたゾーンの突入なのです。

 それが健康な身体と、打たれ強い精神力を築き上げていくのです。

 子どもが一流のアスリートになど、なかなかなれるものではありません。しかし、そのための準備や健康な身体、精神力は親のサポートで十分に達成できるでしょう。

 子どものもっている無限の可能性を開花させるきっかけとなれば。