4 投球後のケア
試合で登板した場合はもちろんのこと、毎日の練習時にブルペンで投げたり、バッティング・ピッチャーなどを務めたあとには、必ず肩とヒジをアイシングによって冷やすようにしましょう。
アイシングのタイミングは、ピッチングを終えた直後。時間は15分。何度も強く腕を振ったことで起こっている、筋肉の中の毛細血管や細胞の炎症を抑え、ピッチング以前の状態に戻してやることがアイシングの目的です。
過去も含めて、ヒジと肩どちらも問題がないのなら、アイシングは肩を優先したい。肩関節はヒジよりも複雑で、インナーマッスルも働いているからだ。また、冷やす時間が長すぎると、凍傷など別の問題を引き起こす可能性があるので要注意。
そして、肩とヒジを冷やし終えたらストレッチや入浴をすることで、アイシングによって硬くなった筋肉をほぐしてやる。これも重要になってきます。
夏の合宿などで「練習が終わったらすぐ風呂に入れ!」というスケジュールを組んでいるチームがあるかもしれませんが、血流が良くなり肩やヒジの炎症が拡大するのでオススメできません。「冷やしてから温める」この原則を徹底するようにして下さい。
また、ボールを投げる動作を繰り返しているのはピッチャーだけではありません。キャッチャーも内野手も外野手も、毎日の練習では何十球、もしかしたら何百球という単位で強いボールを投げいるはずです。したがって、本来であればピッチャー同様、練習後にはアイシングをするべきだと思います。専用のグッズがなければ、氷を巻いたタオルや蛇口から流れ出る水道水を当てるだけでもいいので、肩やヒジを冷やすようにしましょう。(以前東京ヤクルトの相川捕手がアイシングを行いながらインタビューを受けていた映像を見たことがあります。)
5 ダブルヘッダーの場合は?
大会によっては、一日に2試合行うことがあると思います。その場合も、ピッチャーはトータル9回以内、あるいはトータル7回以内といったイニング制限が課せられていることが多いはずです。
仮にイニング制限がトータル7回以内の場合、1試合目で7回完投をしたら、もちろんただちにアイシングを行うべきです。しかし、1試合目に4回を投げ、すぐ2試合目に3回投げることが予定されている場合、アイシングは控えたほうがいいと思います。
では、準決勝の第1試合で4回を投げて、決勝の試合開始までにたとえば2時間程度の余裕がある場合はどうするか。アイシングをしてそこから再びアップをして、キャッチボールをするという工程が踏めるのであれば、アイシングをしてもいいと思います。
6 登板前日の過ごし方
連載が予定されている大会に向けて、ピッチャーは登板前日をどのように過ごすべきか。ボールのキレや投球フォームを確認するために、ある程度投げ込みをブルペンで行うピッチャーも少ないと思いますが、翌日に70、80球程度の投球数が予定されているとしたら、前日の投げ込みは控えたほうが無難だと思います。
一週間に300球という目安はすでに書いた通りですが、当然のことながら練習時に投球数もそこに加算されているので、十分に注意してください。
また、しばしば「投げ込みによって肩を作る」という調整方法も耳にしますが、肩のインナーマッスルはもろく、傷つきやすいものです。そして、一度傷ついたインナーマッスルは再生したり、逆に強くなったりすることはありません。小・中学生は、40球を大きく上回るような投げ込みは控えるべきだと思います。
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