米大リーグ機構(MLB)と米国野球連盟はGM会議で、18歳以下のアマチュア投手を対象にしたけが防止のためのガイドラインを発表した。
8歳以下から18歳までを年代で区切り、1日の投球数や、投球数によって必要な次回登板までの休養日数などを示している。
記者会見したMLBのトーリ副会長は、トミー・ジョン手術と呼ばれる肘の靭帯修復手術を受ける投手が増加傾向にあることに懸念を表明。「医療専門家らと検討を重ねた若い選手を守りたい」とガイドラインの意義について説明した。
「ピッチ・スマート」という名称のガイドラインは大リーグの公式サイトで閲覧できる。日本の高校生にあたる15~18歳では、試合に登板しない期間を年間に4ヵ月以上設け、そのうち2、3ヵ月は投球練習をしないよう勧めている。1日の投球数は17、18歳で最高105球。76球以上投げた場合は次回登板まで4日間の休養が必要としている。
N氏野球評論家
春、夏の甲子園大会でも議論中のタイブレーク方式の導入や、現行18人登録選手数を3人から5人増すことは検討されていい。休養期間にしても日本の高校野球は12月1日から翌年3月7日まで練習試合を禁止しているが、中学生以下では規定されていない。強豪校のエースたちは小、中学校の頃から1年を通じて毎週末、登板している。勤続疲労の原因は、少年野球から蓄積していると考えるべきだ。
E氏野球評論家
故障者のことはよく調べたガイドラインだと思うが、逆に『肩、肘を壊さなかった投手』の検証をしたのか。投球数にばかり注目するのではなく、多く、長く投げられる投手がどんな投球フォームであり、どんなトレーニングをしてきたかを医学的、科学的に調べ、若年層の指導に生かすべきだ。ひたすら少年たちに投げさせないことばかり求めるのは、極端に走る米国ならではの体質の表れだ。